【OBGYN. Sep 2019】
Mallampati, Divya, et al. "Strategies for Prescribing Aspirin to Prevent Preeclampsia: A Cost-Effectiveness Analysis." Obstetrics & Gynecology 134.3 (2019): 537-544.
E: 3通りの妊婦群に対するアスピリン予防投与法 (U.S. Preventive Services Task Force guidelines [USPSTF]におけるリスク群、USPSTFに加えバイオマーカーと超音波検査によるリスク群、全例投与群)
C: アスピリン予防的投与なし
O: 妊娠高血圧腎症 (PE)に関わるコスト、PE発症率、アスピリンによる有害事象発生率
結果のまとめ
・アスピリン予防投与は全て妊娠16週未満での投与開始で、全ての投与例で100%のコンプライアンスが保たれるシミュレーションの設定とした。
・本研究の決定分析では、USPSTFにおける非リスク群は72%、リスク群は28%で、そのうち前者の5%が、後者の55%がバイオマーカーと超音波検査によるリスク群に該当すると推定した。
・アスピリンによるPE予防効果は早産域発症で0.39 (61%減少)、正期産域発症で1.0 (不変)と設定した。また、アスピリンによる有害事象発生率を消化管出血が0.022%、アスピリン喘息が0.48%と設定した。
・全例投与の場合に比べ、USPSTFにおけるリスク群への投与では$8,011,725のコスト増加と10万人の妊婦あたり346人のPE発症数増加が試算された。
・全例投与の場合に比べ、USPSTF+バイオマーカーと超音波検査によるリスク群への投与では$19,216,551のコスト増加と10万人の妊婦あたり308人のPE発症数増加が試算された。
・全例投与の場合に比べ、予防投与なしでは$18,750,381のコスト増加と10万人の妊婦あたり762人のPE発症数増加が試算された。
・Monte Carloシミュレーションによる10,000回の推計では、91%の結果において全例投与が最も優れていた。
・著者らは、幅広い設定における決定分析の結果、PE予防目的のアスピリン投与は全例投与が最も発症予防効果と医療コスト減少に関連していた、と結論づけている。
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