妊娠中のクラミジア・淋菌感染

【OBGYN. Apr 2020】

Goggins, Emily R., et al. "Patterns of Screening, Infection, and Treatment of Chlamydia trachomatis and Neisseria gonorrhea in Pregnancy." Obstetrics & Gynecology (2020).

P: 妊婦健診を一度以上受け、妊娠20週以降で出産した全ての妊婦3,265名 (2016年7月〜2018年6月、米国都市部の単施設、後ろ向きコホート研究)
E: なし
C: なし
O: 検査をされなかった妊婦の割合、検査陽性となった妊婦の割合

*米国CDCは、妊娠中のクラミジア・淋菌の検査対象として「25歳未満」または「25歳以上かつ何らかの感染リスクを持つ」女性を推奨しているが、本研究が実施された医療機関では地域にハイリスク女性が多いため全例検査を実施している。

結果のまとめ

・尿または子宮頸管から採取したサンプルを核酸増幅法で検査した。他院での検査結果や自己申告は陽性とみなさなかった。
・検査を受けた妊婦は全体の97.3%だった。平均年齢は28歳で、多くがnon-Hispanic blackだった。
・対象妊婦のうち、クラミジアかつ/または淋菌が陽性だったのは11.6%だった (クラミジア陽性9.0%、淋菌陽性1.1%、ともに陽性1.5%)。再感染が15%に認められた。
・検査未実施には、低い妊婦健診受診率と医療保険の種類が有意に関連していた。
・検査陽性には、年齢、人種・民族、常習的な飲酒、性感染症の既往が有意に関連していた。
・著者らは、本研究は性感染症のハイリスク妊婦を対象集団とした結果であるが、妊娠中の定点検査はクラミジア・淋菌感染の把握に有用であり、特にハイリスク集団では妊婦健診の受診率向上と合わせて周産期予後改善に大きく関わるだろうと述べている。

原文へのリンク

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Daisuke Shigemi Written by:

産婦人科専門医、公衆衛生学修士。 株式会社Kids Publicの産婦人科医師統括部として産婦人科オンラインの運営に携わっている。また、東京大学大学院の博士課程に在籍しながら産科病院での臨床にも従事している。 初期研修を日本赤十字社医療センターで行い、3年目に日本医科大学産婦人科学教室に入局。卒後8年目に退局。