【医療×ICT. Aug. 2019】
Dayal, Parul, et al. "Hospital Utilization Among Rural Children Served by Pediatric Neurology Telemedicine Clinics."JAMA network open 2.8 (2019): e199364-e199364.
E: 遠隔医療群 (患者の居住地近くのプライマリーケア医と遠隔でUCDCHの小児神経の医師をつなぐ): 378名
C: 対面診察群 (UCDCHの外来を受診): 3,791名
O: 救急外来受診もしくは入院
結果のまとめ
・遠隔医療群は対面診察群に比べ、よりUCDCHから遠くに住み (平均所要時間156分 vs 48分, p値 <.001)、より平均世帯年収が低かった (42,600ドル vs 69,300ドル, p値 <.001)。
・両群で慢性疾患の有無の割合に統計学的有意差はなかった (遠隔医療群 83.9% vs 対面診察群 88.8%)。
・遠隔医療群は対面診察群に比べ、観察期間における救急外来受診もしくは入院が有意に少なく、その差異は社会的、臨床的な背景を調整した上でも有意だった (あらゆる病名での救急外来受診もしくは入院: adjusted incidence rate ratio [aIRR] 0.57 [95% confidence interval [CI]: 0.38-0.88] , 神経疾患に関する病名での救急外来受診もしくは入院: aIRR 0.60 [95% CI, 0.36-0.99])。
・神経外来までの所要時間でマッチングさせた場合も、遠隔医療群は対面診察群に比べ、観察期間における救急外来受診もしくは入院が有意に少なかった (あらゆる病名での救急外来受診もしくは入院: aIRR 0.19 [95%CI 0.04-0.83], 神経疾患に関する病名での救急外来受診もしくは入院: aIRR 0.14 [95% CI, 0.02-0.82])。
・筆者は今回の結果から、専門外来から距離のある地域でも、遠隔医療により小児神経の専門を持った医師へのアクセスが簡便になり、かつ地域の医師との連携強化につながっていると述べている。その上で遠隔医療がコストの高い病院受診の削減に繋がる可能性があると結論付けている。
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