親への認知行動療法と小児喘息の改善

【PEDIATRICS. Feb 2019】

Chong, Yuen-yu, et al. "Acceptance and Commitment Therapy for Parental Management of Childhood Asthma: An RCT."Pediatrics143.2 (2019): e20181723.

P: 香港の2箇所の小児呼吸器科外来を訪れた、医師による気管支喘息の診断を受けている小児 (3-12歳)とその親 (18-65歳)
E: 通常の喘息教育に加え、4回の親に対するAcceptance and Commitment Therapy (以下ACT)を施行
C:通常の喘息教育に加え、3回の電話による経過のフォローを施行
O:介入後6か月間の喘息発作による救急外来の受診と親の心理的状態の変化

※Acceptance and Commitment Therapyとは、認知行動療法の一種で、心理的柔軟性を育み物事をありのままに受容し目標に向かって行動することを促す心理療法。

結果のまとめ

・研究に参加した親子は168組で、親の88%は母親であり、児の60%は男児、児の年齢の平均値は6.8歳だった。
・168組の親子は84組ずつに無作為に割り振られ、介入群では受診時から週に1回6-8人のグループで1.5時間のACTと30分の喘息教育が、計4回行われた。対照群では、受診時に2時間の喘息教育とその後週に1回15分の電話が計3回行われた。
・介入群では対照群と比べ、その後6か月間の喘息発作による救急外来の受診回数が、有意に少なかった。 (adjusted 6-month incidence rate ratio 0.20, 95% confidence interval [以下95% CI] 0.08-0.53, P=.001)
・介入群では対照群と比べ、親の心理的非柔軟性 (平均値の差 -5.45, 95%CI –7.71- –3.30, P= .014)、不安 (平均値の差 –2.20, 95%CI –3.36- –0.73, P= .003)、ストレス (平均値の差 –2.50, 95%CI –4.54- –0.47, P= .016)がそれぞれ有意に低かった。
・筆者らは、小児喘息の管理において喘息教育に加えて親に対するACTを行うことが、喘息発作による救急外来受診の減少および親の心理的負担の軽減に貢献すると述べている。

原文へのンク

Yasuyuki Fuseda Written by: