保育所における手指衛生の効果

【PEDIATRICS. Nov 2018】

Azor-Martinez, Ernestina, et al. "Effectiveness of a Hand Hygiene Program at Child Care Centers: A Cluster Randomized Trial." Pediatrics 142.5 (2018): e20181245."

P: スペイン、アルメリア都市部の25ヶ所の保育所に通う0-3歳までの児童911名 (2013年11月-2014年6月の非盲検ランダム化比較試験)
E: 児童およびその家族や保育所のスタッフに対しての手指衛生教育に加え、(1)液体石鹸と流水による手洗い (石鹸手洗い群)、もしくは(2)アルコール消毒薬による手指消毒 (手指消毒群)
C: 普段の手洗い
O: 呼吸器感染症の罹患率、罹患時の抗菌薬の処方有無、保育所を欠席した日数の割合

結果のまとめ

・研究期間中に呼吸器感染症は5,211件の報告があった。
・手指消毒群ではコントロール群と比較すると、呼吸器感染症罹患率が低く (罹患率比 [以下IRR] 0.77, 95% confidence interval [以下95% CI] 0.68-0.88)、抗菌薬処方率も低かった (IRR 0.69 [95% CI] 0.57-0.84)。
・石鹸手洗い群では手指消毒群と比較すると、呼吸器感染症罹患率が高く(IRR 1.21, 95% CI 1.06-1.39)、抗菌薬処方率も高かった (IRR 1.31, 95% CI 1.08-1.56)。
・手指消毒群では、コントロール群と石鹸手洗い群と比較すると、保育所を欠席した日数の割合は有意に低かった (ともにp<0.001)。
・著者らは、保育所での児童、家族、スタッフに対する手指消毒薬や手指衛生教育の普及が、保育所における呼吸器感染症罹患に伴う児童の欠席日数、呼吸器感染症の罹患率、抗菌薬の処方量の減少に繋がると結論づけている。

原文へのリンク

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Toshiyuki Tanaka Written by:

高校時代に渡米、ニューイングランドの寄宿舎で高校生活を送る。大学はコネチカットのリベラルアーツカレッジで経済学を専攻する。卒後はインターンなどを経て、ボストンの大学院で公衆衛生を学ぶ。東南アジアで国際保健のプロジェクトに携わった後、日本に戻り医学部に編入学する。後期研修より小児科医としての研鑽を積む。現在は小児科オンラインの運営に携わる。