機械学習による小児救急再診予想

【医療×ICT. Jun 2017】

Hu, Ya-Han, et al. "Predicting return visits to the emergency department for pediatric patients: Applying supervised learning techniques to the Taiwan National Health Insurance Research Database." Computer methods and programs in biomedicine 144 (2017): 105-112.

P: 台湾の救急外来を受診した18歳以下の患者 (台湾全体の保険制度である全民健康保険のデータベースより1998-2009年について抽出)
E: 救急外来を受診して3日以内に救急外来を再診した患者
C: なし
O: 救急外来への再診に関わる要因を明らかにし、その予測モデルをデータマイニングによって作成する。

結果のまとめ

・1998-2009年の期間に18歳以下で救急外来を受診した457,428件のうち、救急外来を初診として受診し、今回の解析対象となるデータが揃っている125,940件が解析対象となった。このうち、6282件 (5.0%)が3日以内に再診していた。そして、3日以内に再診した患者のうち、1,834件 (29.2%)が1日以内に入院となっていた。
・多変量ロジスティック回帰の結果、年齢が低いこと、トリアージで緊急性が高いと分類されたこと、点滴加療を受けたこと、受けた検査の種類が多いこと、血算の検査を受けたこと、他科へのコンサルテーションが行われたこと、病院の規模が小さいこと、初診日から過去1週間の間に入院歴があること、過去1年間に頻回に救急外来を受診していたこと、そして春もしくは土曜日に受診したことが再診に関わっていた。アレルギー疾患の既往がある場合や超音波検査を受けていた場合には再診の可能性が低かった。
・救急外来への再診予測モデルは、データマイニング の手法である、Naïve Bayes、classification and regression tree (CART)、random forest、logistic regressionを用いて作成し、それぞれの性能をみた。その結果、CARTと、random forestのArea Under Curveがそれぞれ0.721と0.723と高かった。Naïve Bayesでは0.644、logistic regressionでは0.718であった。
・CARTによって作られた決定木では、過去1年間の救急外来の受診回数、診断の分類、血算の検査を受けたか否か、が再診の可能性を判断する上で重要であった。
・筆者らは、再診の可能性を高める要因を把握することで、再診の可能性が高い児を帰宅させる前に、再評価や介入を医師が行うようなきっかけになりうると指摘している。

原文へのリンク

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Naoya Hashimoto Written by:

小児科医、公衆衛生修士、株式会社Kids Public 代表取締役。2009年 日本大学医学部卒。聖路加国際病院にて初期研修。国立成育医療研究センターにて小児科研修。東京大学大学院医学系研究科公共健康医学専攻 修士課程修了。