【AJOG. Mar 2020】
Ashwal, Eran, et al. "Contemporary patterns of labor in nulliparous and multiparous women." American Journal of Obstetrics and Gynecology 222.3 (2020): 267-e1.
E: 初産婦15,948名
C: 経産婦19,198名
O: 分娩進行速度 (子宮口開大度のデータを電子カルテから抽出し後方視的に分析)
結果のまとめ
・入院時の平均子宮口開大度は4cmで初産婦と経産婦に有意差は認めなかった。
・分娩第一期の平均所要時間は初産婦で中央値274分 (四分位範囲 145-441分)、経産婦で中央値133分 (四分位範囲 56-244分)と経産婦で短時間だった。
・潜伏期 (子宮口4cm未満)で入院した場合、分娩第二期までの時間は初産婦で120-140分長かった。
・潜伏期では、初産婦と経産婦での分娩進行速度に差を認めなかったが、子宮口5cm以降での分娩進行は経産婦で早かった。
・無痛分娩 (硬膜外麻酔)では、両群とも分娩第一期と第二期の経過時間が延長した。
・著者らは、潜伏期の場合は初産婦も経産婦でも分娩進行速度に大きな差が認められなかったこと、また分娩第一期の経過時間は以前から言われていたほど短くなかったことを考えると、現代におけるより適切な分娩進行評価によって不要な医学的介入を減らすことが可能になるのではないかと提案している。
原文へのリンク