自傷・自殺企図のメッセージ特性

【医療×ICT. Nov. 2019】

Duvall, Michelle, et al. "Patient portal message characteristics and reported thoughts of self-harm and suicide: A retrospective cohort study." Journal of telemedicine and telecare 1(2019): 1357633X19887262.

P: 2013年1月から2017年6月、米国メイヨークリニックのかかりつけ患者の会員ポータル (※)に寄せられたメッセージ
E: 自殺、憂うつ、自分を傷つける、などの単語が含まれているかを検索
C: なし
O: 自傷行為や自殺に関するメッセージであったか否か

※オンラインでのかかりつけ患者と医療者のコミュニケーションを可能とするメッセージシステム。適切な医療情報を伝える目的で、米国の病院では患者向け会員ポータルの設置が始まっている。このポータルに寄せられる相談では急を要するメッセージに対応していないことを伝えていても一部に緊急性のあるメッセージが含まれてしまうことが問題視されており、今回の研究が実施された。

結果のまとめ

・128,202名より合計831,009通のメッセージがあった。
・全体のうち、11,174通 (1.3%)のメッセージに自殺、憂うつ、自分を傷つける、などの単語が含まれており、これらのうち、7,736通のメッセージを抽出して解析対象とした。
・解析対象のメッセージのうち、172通 (2.2%)で具体的な自殺に関する記載があり、そのうち23通で具体的な自殺の計画に関する記載もあった。
・解析対象のメッセージのうち、245通 (3.2%)で自殺や自傷行為に関する思いが記載されており、そのうち50通で具体案はないものの「死んでしまいたい」などと記載があり、23通で、自殺は否定しつつ自傷行為に関する記載があった。
・解析対象のメッセージのうち、実際に自傷行為や自殺に関するメッセージであったものは、未婚、白人以外、18歳未満、本人以外のアカウントからのメッセージ、精神科宛てで多かった。
・多変量解析において、精神科宛て、自殺、死、憂うつ、自分を傷つけるという言葉を含むことが自傷行為や自殺に関するメッセージと優位に関連していた。
・筆者らは、自傷行為や自殺に関するメッセージと関連した因子、単語を把握することで、患者の会員ポータルに寄せられるメッセージの緊急性を判断するシステムの構築に貢献するだろうと述べている。

原文へのリンク

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Naoya Hashimoto Written by:

小児科医、公衆衛生修士、株式会社Kids Public 代表取締役。2009年 日本大学医学部卒。聖路加国際病院にて初期研修。国立成育医療研究センターにて小児科研修。東京大学大学院医学系研究科公共健康医学専攻 修士課程修了。