【AJOG. Oct 2019】
Lovejoy DA, Roem JL, Blomquist JL, et al. Breastfeeding and pelvic floor disorders one to two decades after vaginal delivery. Am J Obstet Gynecol 2019;221:333.e1-8.
E: 長期完全母乳栄養群371名 (詳細は下記)
C: 中期完全母乳栄養群145名または短期完全母乳栄養群189名 (詳細は下記)
O: ストレス性尿失禁、便失禁、骨盤臓器脱
*研究参加者の分類:
- 短期完全母乳栄養群: 完全母乳栄養は生後1週間以内に終了
- 中期完全母乳栄養群: 完全母乳栄養は生後1週間から12週間以内に終了
- 長期完全母乳栄養群: 完全母乳栄養を生後12週間以上継続
結果のまとめ
・研究参加者には年一回のアンケート調査 (授乳状況と現在の骨盤底筋に関する症状の有無)を最大9年間 (平均5年間)に渡って実施した。骨盤臓器脱の評価に関しては医療者による診察も併用した。
・多産婦については初回分娩に関して解析した。
・合計3079人年のうち、ストレス性尿失禁は27%、便失禁は25%、骨盤臓器脱は20%に発生していた。
・完全母乳栄養の期間と主要アウトカムの発生頻度に有意な関係性は認められなかった (人種、教育歴、経産回数、BMI [body mass index]を調整)。短期完全母乳栄養群に比べたオッズ比は、ストレス性尿失禁 (中期完全母乳栄養群: adjusted odds ratio [aOR] 1.29, 95% confidence interval [CI] 0.81-2.08, 長期完全母乳栄養群: aOR 0.82, 95% CI 0.54-1.23)、便失禁 (中期完全母乳栄養群: aOR 0.78, 95% CI 0.47-1.30, 長期完全母乳栄養群: aOR 0.66, 95% CI 0.44-1.01)、骨盤臓器脱 (中期完全母乳栄養群: aOR 0.91, 95% CI 0.51-1.61, 長期完全母乳栄養群: aOR 0.77, 95% CI 0.47-1.23)。
・著者らは、経腟分娩後10-20年経過するまでの尿失禁、便失禁、骨盤臓器脱の発症について、完全母乳栄養の期間における低エストロゲン状態は関連していなかった、と結論づけている。
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