高ビリルビン血症、光線療法と小児気管支喘息の関係

【PEDIATRICS. Oct 2018】

Kuzniewicz, Michael W., et al. "Hyperbilirubinemia, Phototherapy, and Childhood Asthma." Pediatrics (2018): e20180662.

P: 米国カリフォルニア州で在胎35週以降に出生した109,212名の児 (2010-2014年、同州を中心とした11施設が対象、コミュニティベースの医療システム [Kaiser Permanente Northern California system]データを利用)
E: 新生児期の血清総ビリルビン値、新生児期の光線療法
C: なし
O: 小児気管支喘息の発症

結果のまとめ

・対象の医療機関では、出生児の退院前に血清総ビリルビン値を全例で測定していた。

・Primary outcomeの「小児気管支喘息の発症」とは、2歳以降に30日以上の間隔を空けて2回以上医療機関で気管支喘息の診断を受け、かつ2歳以降に1年間に30日以上の間隔をあけて2回以上気管支喘息の治療薬(短時間・長時間作用性β刺激薬、吸入ステロイド薬、吸入ステロイド薬/長時間作用性β刺激薬配合剤、またはモンテルカスト)が処方されたものと定義した。

・血清総ビリルビン値の最高値が 9-17.9 mg/dLだった児では、最高値が3-5.9 mg/dLだった児に比べ、小児気管支喘息発症率が有意に高かった。具体的には、血清総ビリルビン値の最高値が9-11.9 mg/dLではadjusted hazard ratio 1.14 (95% confidence interval 1.04-1.26)、12-14.9 mg/dLではadjusted hazard ratio 1.12 (95% confidence interval 1.02-1.24)、15-17.9 mg/dLではadjusted hazard ratio 1.22 (95% confidence interval 1.10-1.36)だった。

・一方で、血清総ビリルビン値の最高値が18 mg/dL以上ではadjusted hazard ratio 0.99 (95% confidence interval 0.84-1.16)と小児気管支喘息発症の有意な増加は認めなかった。

・光線療法を受けた児は、受けていない児に比べて、小児気管支喘息発症の有意な増加は認めなかった (adjusted hazard ratio 1.01 [95% confidence interval 0.92-1.11])。

・筆者らは、今回の研究から血清総ビリルビンの高値自体が気管支喘息を引き起こす原因であるかは明らかではないとしている。むしろ、遺伝子多型のような交絡要因が高ビリルビン血症と小児気管支喘息発症の双方へ関連しているかもしれないとした上で、高ビリルビン血症に対する光線療法は小児気管支喘息発症の予防に有効ではなさそうだと述べている。

 

原文へのリンク

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Yasuyuki Fuseda Written by: