小児科外来からの救急搬送の頻度

【PEDIATRICS. Aug 2018】

Yuknis, Matthew L., et al. "Frequency of pediatric emergencies in ambulatory practices." Pediatrics 142.2 (2018): e20173082.

P: 2012年1月-2014年12月の3年間にインディアナポリス都市部において救急搬送となった18歳未満の小児のデータ
E: なし
C: なし
O: 小児科外来から救急搬送となった症例

結果のまとめ

・3年間で38,841件の小児の救急搬送が報告され、そのうち332件 (0.85%)が小児科外来からの要請だった (年間で10万人に42人の割合)。
・小児科外来からの救急搬送要請で最も多かった症状は呼吸窮迫 (58.1%)で、精神・行動に伴う救急症状 (6.3%)、痙攣 (6.3%)が続いた。
・最も多かった介入は酸素療法 (27.4%)や気管支拡張薬の吸入 (26.5%)だった。研究期間中には、マスク換気、挿管・気道確保、骨髄穿刺、CPRを要する搬送はなかった。
・社会経済的地位が低いほど、小児科外来からの救急搬送は多かった。
・著者らは、小児科外来からの救急搬送要請で呼吸窮迫症状の次に精神・行動に伴う救急症状が多かったことは、昨今の救急要請状況を反映していると述べている。また、救急医療サービスデータと地理的データを照合することで、より詳細な評価が可能であったと述べている。

原文へのリンク

Toshiyuki Tanaka Written by:

高校時代に渡米、ニューイングランドの寄宿舎で高校生活を送る。大学はコネチカットのリベラルアーツカレッジで経済学を専攻する。卒後はインターンなどを経て、ボストンの大学院で公衆衛生を学ぶ。東南アジアで国際保健のプロジェクトに携わった後、日本に戻り医学部に編入学する。後期研修より小児科医としての研鑽を積む。現在は小児科オンラインの運営に携わる。