双胎妊娠における体重増加と合併症

【OBGYN. Dec 2019】

Bodnar, Lisa M., et al. "Gestational Weight Gain and Adverse Birth Outcomes in Twin Pregnancies." Obstetrics & Gynecology 134.5 (2019): 1075-1086.

P: 妊娠39週までに双胎の出産を迎えた27,723名の妊婦と54,836名の出生児 (2003-2013年、米国ペンシルバニア州の周産期情報と乳児死亡統計をリンクさせたデータベースより抽出)
E: なし
C: なし
O: small-for-gestational-age (SGA)、large-for-gestational-age (LGA)、32週未満の早産、帝王切開、乳児死亡

結果のまとめ

・妊娠中の体重増加量は、出産までの妊娠期間で調整して算出したz-scoreに変換し、解析に用いた。
・z-scoreとアウトカムの関連は、妊娠時のBMIで層別化した多変量回帰分析で評価した。
・妊娠時BMIは、やせ群、正常群、過体重群、肥満群に層別化した。
・全てのBMI群において、z-scoreはSGAに関して負の、LGAと帝王切開に関して正の関連を有していた。肥満群以外で、早産に関してはU字型の関連性が認められた。
・乳児死亡は、妊娠時BMI正常群では体重増加が非常に少ない場合に、肥満ではないその他の群 (やせ群と過体重群)では体重増加が大きい場合に最も頻度が高かった。
・アウトカムの発生増加は、やせ群、正常群では体重増加が14kg未満または27kgより大きい場合で、過体重群では体重増加が11kg未満または28kgより大きい場合で、肥満群では体重増加が6.4kg未満または26kgより大きい場合で認められた (いずれも妊娠37週時点での体重)。
・著者らは、双胎妊娠の女性に対する適切な範囲の体重増加コントロールが妊娠予後の改善をもたらすかもしれない、と結論づけている。

原文へのリンク

Daisuke Shigemi Written by:

産婦人科専門医、公衆衛生学修士。 株式会社Kids Publicの産婦人科医師統括部として産婦人科オンラインの運営に携わっている。また、東京大学大学院の博士課程に在籍しながら産科病院での臨床にも従事している。 初期研修を日本赤十字社医療センターで行い、3年目に日本医科大学産婦人科学教室に入局。卒後8年目に退局。