分娩時におけるうつ病の合併

【OBGYN. Jun 2019】

Haight, Sarah C., et al. "Recorded Diagnoses of Depression During Delivery Hospitalizations in the United States, 2000–2015." Obstetrics & Gynecology 133.6 (2019): 1216-1223.

P: 米国の病院で出産した女性 (2000-2015年、米国の全国・州別入院診療データベースを用いた後方視的コホート研究)
E: なし
C: なし
O: 分娩による入院時の抑うつ障害有病率

結果のまとめ

・入院診療の全国データは地域の病院から退院した全ての患者のうち約20%を抽出して作成され、州別データは公的に取得可能な31の州におけるデータを用いた。抑うつ障害の診断はICD-9-Clinical Modificationのコードを用いて同定した。
・変数として、年齢、保険者 (自費/私的保険/公的保険/その他)、人種/民族、州について解析した。
・全国データの解析により、分娩による入院時の抑うつ障害有病率の推定値は2000年 (4.1人/1000分娩)に比べて2015年 (28.7人/1000分娩)で大幅に増加していた。
・州別データの解析では、州によって抑うつ障害有病率に差があり、2014-2015年ではハワイ州とネバダ州で最も低く (< 14人/1000分娩)、バーモント州、ミネソタ州、ウィスコンシン州、オレゴン州で最も高かった (> 49人/1000分娩)。
・直近3年間でのデータが取得できた28の州のうち、27の州で抑うつ障害有病率がこの3年間で上昇していた。
・2015年のデータでは、35歳以上、公的保険受給者、ノンヒスパニックの白人で最も高い有病率であり、この集団では2000年以降の経年的な上昇率も最も高かった。

原文へのリンク

Daisuke Shigemi Written by:

産婦人科専門医、公衆衛生学修士。 株式会社Kids Publicの産婦人科医師統括部として産婦人科オンラインの運営に携わっている。また、東京大学大学院の博士課程に在籍しながら産科病院での臨床にも従事している。 初期研修を日本赤十字社医療センターで行い、3年目に日本医科大学産婦人科学教室に入局。卒後8年目に退局。