乳児の睡眠時窒息死の原因

【PEDIATRICS. May 2019】

Lambert, Alexa B. Erck, et al. "Sleep-related infant suffocation deaths attributable to soft bedding, overlay, and wedging." Pediatrics 143.5 (2019): e20183408.

P:米国における2011-2014年の予期せぬ1歳未満の乳児死亡のうち、睡眠時の安全ではない要因による窒息が原因と分類された250症例
(Center for Disease Control and Prevention [以下、CDC]による予期せぬ1歳未満の乳児死亡に関するデータベースを使用)
E:なし
C:なし
O:睡眠時の窒息死の要因

結果のまとめ
・2011-2014年の間に、CDCの予期せぬ1歳未満の乳児死亡に関するデータベースに登録された1812症例のうち、睡眠時の安全ではない要因による窒息が原因と分類された症例は250症例(14%)であった。そのうち、複数の要因があった症例を含め、274の要因について分析した。
・274の要因のうち、「やわらかいものによる窒息」が190例(69%)、親や兄弟に「覆いかぶさられたことによる窒息」が51例(19%)、マットなどの間に「挟まることによる窒息」が33例(12%)であった。
・「やわらかいものによる窒息」の82%がうつ伏せに寝ており、場所としては49%が大人のベッドで起きていた。窒息物としてはブランケットによるものが34%、大人用のマットレスによるものが23%、枕によるものが22%だった。
・「覆いかぶさられたことによる窒息」では、71%が大人用のベッドで起こっており、51%が仰向け以外であった。覆いかぶさられた人としては、母親が47%、父親が25%、兄弟が 22%であった。
・「挟まることによる窒息」では、73%が大人用のベッドで寝ていた。また、マットレスと壁によるものが48%、マットレスとベッドフレームによるものが27%であった。
・死亡月齢の中央値は、「やわらかいものによる窒息」で3か月、「覆いかぶさられたことによる窒息」で2か月、「挟まることによる窒息」で6か月であった。
・筆者は、今回の研究が記述的な研究にとどまっている限界に言及しながらも、乳児の睡眠時の窒息死がどういった状況で起きているかのデータを知ることで、予期せぬ1歳未満の乳児死亡の予防につなげられる可能性があると述べた。

原文へのンク

Yasuyuki Fuseda Written by: