双胎・頸管長短縮へのペッサリー

【OBGYN. Mar 2019】

Dang, Vinh Q., et al. "Pessary Compared With Vaginal Progesterone for the Prevention of Preterm Birth in Women With Twin Pregnancies and Cervical Length Less Than 38 mm: A Randomized Controlled Trial." Obstetrics & Gynecology 133.3 (2019): 459-467.

P: 双胎妊娠で、無症状だが子宮頸管長が38mm未満の妊婦300名 (2016年3月〜2017年6月、ベトナムの病院で行われた単施設RCT)
E: 子宮頸管ペッサリーの使用 (148名、Arabin pessaryを使用、ペッサリー群)
C: プロゲステロン製剤の経腟的投与 (149名、投与量は400mg/日、プロゲステロン群)
O: 妊娠34週未満の早産

結果のまとめ

・副次アウトカムとして、複合的周産期アウトカム (死産、新生児死亡、気管支肺異形成症、呼吸窮迫症候群、脳室内出血、壊死性腸炎、新生児敗血症)を評価した。
・妊娠34週未満での早産率は、ペッサリー群とプロゲステロン群に有意差は認められなかった (16% vs. 22%, relative risk [RR] 0.73, 95% confidence interval [以下95% CI] 0.46-1.18)。
・副次アウトカムの発生率は、ペッサリー群で有意に低かった (19% vs. 27%, RR 0.70, 95% CI 0.43-0.93)。
・サブグループ解析として、頸管長が28mm以下の群では、妊娠34週未満での早産率がペッサリー群で有意に低かった (21% [10/47] vs. 46% [16/35], RR 0.47, 95% CI 0.24-0.90)。また、副次アウトカムの発生率もペッサリー群で有意に低かった (19% vs. 50%, RR 0.38, 95% CI 0.12-0.47)。
・著者らは、本研究において、双胎妊娠の頸管長短縮症例 (38mm未満)ではペッサリー群とプロゲステロン群で同程度の早産率だったが、サブグループ解析の結果から頸管長28mm以下に限ってはペッサリーがより有効かもしれない、と結論づけている。

原文へのリンク

Daisuke Shigemi Written by:

産婦人科専門医、公衆衛生学修士。 株式会社Kids Publicの産婦人科医師統括部として産婦人科オンラインの運営に携わっている。また、東京大学大学院の博士課程に在籍しながら産科病院での臨床にも従事している。 初期研修を日本赤十字社医療センターで行い、3年目に日本医科大学産婦人科学教室に入局。卒後8年目に退局。