解熱剤による熱性けいれん再発予防効果

【PEDIATRICS. Nov 2018】

Murata, Shinya, et al. "Acetaminophen and Febrile Seizure Recurrences During the Same Fever Episode." Pediatrics (2018): e20181009.

P:2015年5月-2017年4月に熱性けいれんを主訴に市立ひらかた病院を受診した生後6-60か月の患児
I:初回けいれん後24時間まで38度以上の発熱が持続していれば、6時間毎に解熱薬 (アセトアミノフェン10mg/kg)を挿肛
C:解熱薬の使用なし(プラセボ薬の使用もなし)
O:同一の発熱中のけいれん再発

結果のまとめ

・アセトアミノフェン挿肛群と解熱薬未使用群 に無作為に割り付け、アセトアミノフェン挿肛群は219名が、解熱薬未使用群は204名が解析対象となった。
・アセトアミノフェン挿肛群で再発率は9.1%、解熱薬未使用群で再発率は23.5% (P < .001)とアセトアミノフェン挿肛群で有意に再発率が低下した。
・多重ロジスティック解析では、熱性けいれんの再発率は、アセトアミノフェン座薬を使用しないとodds ratio 5.6 (95% confidence interval [以下95% CI] 2.3-13.3)、年齢が1か月早くなるとodds ratio 1.08 (95% CI 1.03-1.11)と有意に上がることが示された。
・筆者らは下痢症状を持つ患者を除外した熱性けいれんの患児において、解熱薬の積極的な使用が同一の発熱中の熱性けいれんの再発を予防する可能性があるとしている。しかし、体温が下がること自体で再発が予防されたのかアセトアミノフェンの薬効であったかは今回の研究では明らかではなく、熱源を考慮していなかったこともあり、今回の研究には限界があるためさらなる研究が必要とすると結論付けた。

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Yasuyuki Fuseda Written by: